文=川本ケン ここに、『8 -Eight-』と題された短編オムニバス作品がある。2000年に国連において合意された(189カ国が調印)、MDGsと呼ばれる8つの「ミレニアム開発目標」それぞれの現況を見直し、2015年という期限までの間に起こすべき行動を考えるための映画である。 8つの目標とはそれぞれ下記の内容を持ち、それぞれこんな監督たちが担当している。 1. 極度の貧困と飢餓の半減=アブデラマン・シサコ監督作品 2. 普遍的初等教育の達成=ガエル・ガルシア・ベルナル監督作品 3. ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上=ミラ・ナイール監督作品 4. 乳幼児死亡率の削減=ガス・ヴァン・サント監督作品 5. 妊産婦の健康の改善=ヤン・クーネン監督作品 6. HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止=ギャスパー・ノエ監督作品 7. 環境の持続可能性の確保=ジェーン・カンピオン監督作品 8. 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進=ヴィム・ヴェンダース監督作品。 映画作品としても、大好きなモチーフにメッセージを乗せるだけというもの(ヴァン・サント作)、映像と音の詩を織り上げたもの(クーネン作)、意外な角度からテーマを考えるもの(ガルシア・ベルナル作)、直球のドキュメンタリー(ノエ作)、映画として見事なまとまりと広がりを見せるもの(カンピオン作)などなど、方向性のばらつきが見る楽しみを与えてくれる仕上がりとなっている。 『8 -Eight-』 11/13(土) 連日18:50より 渋谷アップリンクXにてロードショー この映画(プロジェクト)に関する問い合わせは下記まで: E-Mail:oxfaminfo@oxfam.jp 【関連サイト】 『8 -Eight-』オフィシャルサイト http://www.oxfam.jp/
公開情報
写真は、ジェーン・カンピオン作品「ウォーター・ダイアリー」より
©Greig Fraser / LDM Productions
初出
2010.11.13 11:00 | PICKUP