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アレクサンダー・ペイン監督
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
最良のアレクサンダー・ペインの作品は、受け止めにくい。共感の枠組みの中にすんなりと収まらない。つまり、なんらかの教訓を引き出しにくい。とはいえ、過激なことをやろうという自意識が前面にあるわけでもない。 READ MORE...
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最良のアレクサンダー・ペインの作品は、受け止めにくい。共感の枠組みの中にすんなりと収まらない。つまり、なんらかの教訓を引き出しにくい。とはいえ、過激なことをやろうという自意識が前面にあるわけでもない。 READ MORE...
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ひとりの痩せたカウボーイ、ロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヒー)が博打を打ち、酒を飲み、女を抱いている。どこから見ても粗野で軽薄、知性のかけらも感じさせない。時代は80年代半ばのようだ。 そんな彼が READ MORE...
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ひとりの50代女性が娘を姉の家に預けて、ケニア旅行に出かける(『愛』)。その目的は「セックス観光」で、西欧的ジェンダーが身に染みこんだ彼女は、なかなか最初のステップを踏み出せないが、それを乗り越えた後 READ MORE...
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周知のとおり、一作目の原作が映画版と決定的に異なっているのはビッグ・ダディのキャラクターで、彼は元警官でもなんでもなく、ただ単に度を超したコミック・ファンであり、その世界観を現実化するために仕込まれた READ MORE...
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アメリカ南部の綿花畑の黒人奴隷一家に生まれた少年が、「ハウス・ニガー(家事奴隷)」として執事の仕事を仕込まれ、やがてホワイトハウスに務めるようになる。それが1950年代のことで、そこから80年代に至るまで8 READ MORE...
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極寒の地と化し生物の死に絶えた地球上を、一本の列車が疾走し続けている。人類の生き残りたちが、その中で生活しはじめてすでに17年が過ぎた。資源も空間も限られた車内は、貧困層と富裕層との間に厳格な階層分けが READ MORE...
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なにかとんでもないことが起ころうとしている。それが何なのか一向にわからないが、取りかえしのつかないことが起こりつつあるという圧倒的な気配だけが空気をふるわせている。 これはデイヴィッド・リンチの新作 READ MORE...
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フェイク・ドキュメンタリー(もしくはファウンド・フッテージ)系のホラーというのには正直なところ食傷気味だった。第一、『パラノーマル・アクティビティ』シリーズのように、きちんと予算がかけられた作品になる READ MORE...
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ファースト・ショットで、画面の中の子どもたちが我々の方を覗き込む。カメラは不安定で、ライティングもされていない。だが、この作品はいわゆるドキュメンタリー映画ではない。主人公たちの身の上に起こった出来 READ MORE...
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脱獄ものの場合、ディテイルがリアルであればあるほど興奮するだろう。『アルカトラズからの脱出』など、自分が捕まった場合にはこうすればいいのかとハウツーもののようにして見ていたものだ。そういう意味では、漂 READ MORE...
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SVが選ぶ “クリスマスは映画三昧!” Vol.4
1969年12月12日夕刻、ミラノのフォンターナ広場に面した全国農業銀行が爆破され、17人が死亡、88人が負傷する。冷戦下、学生・労働運動が激しく燃え上がり、国家に揺さぶりをかけていた時代の話である。そして容疑者 READ MORE...
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SVが選ぶ “クリスマスは映画三昧!” Vol.3
監督・吉田恵輔といえば、そのフィルモグラフィーのほとんどをオリジナルの人間ドラマ作品が占めるという、昨今の邦画状況を見渡すと奇跡のような作り手のひとりである。しかも、あながちに観客の涙を搾り取る方向で READ MORE...
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SVが選ぶ “クリスマスは映画三昧!” Vol.2
幾世紀も続く生に倦み果てた吸血鬼たち。その倦怠を貴族の退廃に重ね合わせるというのも、現代のヴァンパイアものにおけるなじみのイメージではある。そういう意味では、この映画もまた想定の範囲内におさまる。しか READ MORE...
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一方で「フェイク・ドキュメンタリー」という手法で、他方で「3D」というテクノロジーによって、映画はますます実体験そのものとなることを目指してきた。もちろんそれは、映画が原初から備えている欲望であり衝動で READ MORE...