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BACK TO 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』!Vol.9  

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updated 11.17.2010

Vol.9 監督ロバート・ゼメキスとは

文=川本ケン

ロバート・ゼメキスが、『抱きしめていたい』(78)の青春もの、『ユーズド・カー』(80)のドタバタ・コメディ、『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(84)の冒険活劇という、初期三作品で示した手腕や要素の集大成として、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の監督に抜擢されたと考えると、非常に分かりやすい。

そして『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ以降のゼメキスは、特に『パート2』から発揮されはじめ、『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94)である種の完成形を見せた、歴史的な映像の中に登場人物をとけ込ませるといったような高度なVFX技術を、物語の核心部分に組み込んでゆくという作風で知られるようになる。

だが、映画作家としての彼のフィルモグラフィーを総体的に眺めてみると、それほど分かりやすい作り手とは言えないことがわかる。『フォレスト・ガンプ』から『コンタクト』(97)への流れを見ると、政治の右左とは関係なく、本質的な保守派とでも呼ぶべき心情の持ち主のようには感じられるが、そうしたカテゴライズから滲出するものも非常に多い。おそらく、そういった部分を含めて、アメリカ映画が我々の心を撃つときの、ひとつの核心のようなものを体現する作家のひとりであることは間違いない。

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初出

2010.11.17 08:00 | FILMS