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クリスチャン・タフドルップ『胸騒ぎ』
”あともう少しだけ様子を見よう”
本作の英題は『Speak No Evil』、デンマーク語の原題は『Gæsterne』という。前者はいわゆる「見ざる言わざる聞かざる」の「言わざる」にあたる。「悪いことには目を閉ざし、口にしない」くらいのニュアンスだろう。 READ MORE...
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”あともう少しだけ様子を見よう”
本作の英題は『Speak No Evil』、デンマーク語の原題は『Gæsterne』という。前者はいわゆる「見ざる言わざる聞かざる」の「言わざる」にあたる。「悪いことには目を閉ざし、口にしない」くらいのニュアンスだろう。 READ MORE...
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はっきりしないぬかるみの中から
1974年10月3日、ペルーの首都リマは大地震に見舞われている。マンションの7階にあった自宅には3歳の私と母しかいなかったと記憶している。調べてみると朝9時21分だったようなので、父が徒歩圏にあったオフィスに出 READ MORE...
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肉体をもった“故郷”
「あの時にあっちを選んでいたらどうなっていたかな」と思い描いてみたくなる瞬間というのは、だれにでも訪れる。しかしたいていの場合はひとしきり想像を拡げたあとで、「いや、あちらに行かなかったからこそ今が READ MORE...
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死という空虚な一点
死が訪れた瞬間の話を当人から聞くことは金輪際ないがゆえに、死とは謎そのものであり続ける。このあたりまえかつ月並みな事実は、当然ながら頭では理解できているわけだが、実際に死を目の当たりにすると、謎が謎 READ MORE...
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戦いの地平
「“野獣”のような男に“幽閉”されている若く美しい女性が、次第に“野獣”を愛するようになり、ついにはその愛によって“野獣”を“野獣”たらしめている“魔法”を解き、ふたりは結ばれる」という物語は、もちろん、「少女を READ MORE...
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アントン・コービン『誰よりも狙われた男』
パリで乗ったタクシーの若い運転手が、エピソードを豊富に持った面白いヤツだったので、半年後に訪れた時にも電話をかけて呼び寄せてみた。するとその時は別人のように疲れた様子で口も重く、水揚げがキビシイのは今 READ MORE...
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普通の殺戮者
この映画が不穏なのは、「殺人サイコパス」たちの戦慄すべき告白が生々しく、あるいはおもしろおかしく収められているからではない。なぜこの映画が、我々に対して圧倒的な力を持つのかといえば、真実はその真逆にある。 READ MORE...