孤独のガチャガチャ

千代田区秋葉原「世界のラジオ会館1号館」編その三
「諸星大二郎 立体異形図譜」 

文・写真=

updated 06.17.2014

さて、今回選んだガチャガチャは「諸星大二郎 立体異形図譜」です。諸星先生の漫画は好きでよく読む方ですが、作風は重厚で、ガチャガチャが持つ軽いイメージとはミスマッチこの上ありません。昨今では珍しく、連載誌を経ずに書き下ろしで漫画を出されている実力派で、固定ファンが多いイメージですが、特別流行している様子もないので(人気がないという意味ではありません)、今なぜガチャガチャ化するのか、ちょっと疑問です。ガチャガチャの商品企画がどのようなプロセスを経るのかよく分かりませんが、定期的に世の中の流行とは無関係な商品が発売される印象があり、「諸星大二郎 立体異形図譜」もその範疇に入る商品のような気がします。「異界より来たるモノたち」というキャッチフレーズと共に不気味な化け物が並んでいるのですが、その中になぜか考古学者の稗田先生が含まれている点が決め手となり、本日のターゲットとなりました。稗田先生、異界から来たんですか?
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1個400円、全部で7種類あり、最短でも2800円は掛かるので、とりあえず3000円を100円硬貨に両替し、さっそく開始です。硬貨を入れて、ハンドルをガチャリ。出てきた水色のカプセルを取り出します。ちなみにこの商品は海洋堂のもので、特徴としてカプセルに帯が付いていて、開けるのに一手間掛かる仕様になっています。多少豪華な感じがしなくもありませんが、正直、私のようにコンプリートを目指す利用者にとっては、毎回開けて中身を確認しなければならないので、面倒くさいだけです。

帯を切り取り、カプセルを開けて中身を確認すると、緩衝剤でぐるぐる巻きになっていて何が入っているのか確認できません。透明のビニールに入っているものはよくありますが、これほど頑丈に緩衝剤で守られているタイプはちょっと珍しいです。ハイクオリティを誇る海洋堂らしい丁寧な仕様ですが、ここまでやるならガチャガチャではなく別の販売方法を検討してもらいたいものです。開けるのに時間がかかりすぎ、必死でカプセルを開ける私を、近くの子供やカップルが不思議そうな目で見てきて煩悩に負けそうになります。
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さて、最初の7回ですが、
① ハルピュイア
② タケミナタカ
③ ハルピュイア
④ ヒルコ
⑤ 稗田礼二郎(フルカラー版)
⑥ ハルピュイア
⑦ 稗田礼二郎(フルカラー版)

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という内容となりました。攻守にバランスの取れていない、ザッケローニもびっくりの目も当てられない布陣です。とりあえず、ハルピュイアが多すぎですね。ちなみにハルピュイアは説明を読むと、女の顔、鳥の身体をもつ、ギリシャ神話の怪物、とのことです。ギリシャ神話の怪物のフィギュアを所有するのは初めてですが、さすがに3個もいりません。