FILMS
マッテオ・ガッローネ監督
『ゴモラ』
初老の男が、薄暗い部屋の中でタバコを吹かしている。その視線の先には、現金を数える男の姿があるようだが、顔には何の表情も浮かんでいない。ただひたすら、倦みきった無関心だけがある。 この無名の男のクロー READ MORE...
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初老の男が、薄暗い部屋の中でタバコを吹かしている。その視線の先には、現金を数える男の姿があるようだが、顔には何の表情も浮かんでいない。ただひたすら、倦みきった無関心だけがある。 この無名の男のクロー READ MORE...
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ひとことで言えば、イラク戦争の大義名分であった「大量破壊兵器の開発・隠匿」という、今では大嘘であったことが周知の事実となっている「嫌疑」に、根拠がないことを示そうとしたCIA職員の女性と元外交官であるそ READ MORE...
BOOKS
3.11から一ヵ月くらいの麻痺した時間の中で、むずむずと見直したくなったフィクション作品がいくつかある。映画で言えばフランク・ダラボン『ミスト』とスティーヴン・スピルバーグ『宇宙戦争』だし、読み物で言えば READ MORE...
FILMS
どうしてこういう企画がこれまでになかったのか不思議、という意味の惹句が付されているが、たしかに「エイリアン侵略もの」が、「圧倒的な力の差によって人類が滅亡の危機に瀕する」ジャンルだとすれば、西部劇の時 READ MORE...
BOOKS
この小説とはほとんど何の関係もないのだが、9.11のことが書かれているのでつい思い出してしまったから書き付けてしまおう。ワールド・トレード・センター・ビルの展望台に昇った最初で最後の機会が2000年のことだっ READ MORE...
FILMS
もちろんどんな映画でも、見ている最中、見た直後、そして見てからだいぶ時間が経った後の面白さの三つを持っていて、作品によってはどれかひとつの面白さしか持っていなかったり全部を持っていたり、あるいはどれか READ MORE...
FILMS
ミイラの安置されたカタコンブのような空間、長針と短針のある文字盤の影、払暁らしき光と裸で窓の前に立つ男。窓枠からは、彼方にねじ曲がりながら流れる川と屹立する電波塔のようなものが見える。露骨にドイツ表現 READ MORE...
FILMS
オットー・プレミンジャーによる『バニー・レークは行方不明』という映画がある。イヴリン・パイパーによる原作を映画化した古典だが、こういう風に話は始まる。ロンドンに引っ越してきたばかりの若いシングル・マザ READ MORE...
FILMS
要するに『パラノーマル・アクティビティ』を劇映画にしたというだけのことなのだが、『パラノーマル〜』そのものが幽霊屋敷ものという劇映画の伝統的な一ジャンルをフェイクドキュメンタリーという手法に翻訳したも READ MORE...
FILMS
作品の作り手に対してインタヴューをするときにいつも感じるのは、作品が素晴らしい場合、尋ねる事はほとんどないということで、実は優れた娯楽作品に関しても、優れているが故に語るべき事はほとんどないという事態 READ MORE...
FILMS
マジック・アワー前後の逆光、50年代とおぼしき住宅街の中に佇む家族、彼らに寄り添いながら距離を置くカメラワークと位置関係。親密さと不穏さに充ちた映像の連なりから、突如銀河の果てに飛ぶ視点。創生期の惑星。 READ MORE...
FILMS
オリジナル版である『ぼくのエリ 200歳の少女』は、監督トーマス・アルフレッドソンがジャンルに対する拘りを持っていなかったことが功を奏し、むしろ物語をいかにして語るかということが純粋に追求された結果、( READ MORE...
FILMS
砂漠をゆく数人の人影。武器を携えている様子は兵士のようではあるが、戦闘服を着ている者とそうでないものが混ざっている。その上空をヘリコプターがゆく。カメラはヘリの中にあったり、地上の男たちの脇にあったり READ MORE...
FILMS
原題も邦題もそのまま『ムカデ人間』。ただし、ムカデは「百足」と書くけど、ここでは「十二足」。シャム双生児切り離しのスペシャリストである外科医が、今度は人間をつないでみたくなりました、というお話。それで READ MORE...
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街中での突発的な暴力事件がおこる。加害者は徹底的に被害者をいためつけ殺害する。しかもその件数は増えてゆくばかりで、「憎しみ」が感染症のように拡がっているように見える。「感染者」は「hater=憎む者=憎鬼 READ MORE...