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サラ・ポーリー監督
『テイク・ディス・ワルツ』
やがてキッチンだとわかることになる空間には黄昏の光が充ちていて、その中を一人の女性が動きまわりながら料理を続けている。被写界深度の浅いクロースアップ・ショットの連続は、耐え難い澱みを体現しているように READ MORE...
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やがてキッチンだとわかることになる空間には黄昏の光が充ちていて、その中を一人の女性が動きまわりながら料理を続けている。被写界深度の浅いクロースアップ・ショットの連続は、耐え難い澱みを体現しているように READ MORE...
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コッポラの新作はゴシック・ホラーらしいと聞かされても、どうせ思わせぶりな謎に満ちたアート小品なのだろうと多少高を括って見に行ったというのが正直なところなのだが、あにはからんや、寂れた田舎町の薄暗い色味 READ MORE...
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見渡す限りの雪原を犬が駈けている。それを追跡するヘリコプター。搭乗者は狙撃を続けるが、犬は逃げ延び、アメリカの南極観測基地に辿り着く。というのがジョン・カーペンターによる『遊星からの物体X』の導入部分 READ MORE...
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ポール・ヴァーホヴェンによる一作目からすでに15周年だというので、まずは基本的な情報をいくつか。 原作であるロバート・A・ハインラインによる『宇宙の戦士』は1959年に刊行されたもので、そこに登場するパワ READ MORE...
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どういうわけかザ・キュアーの『ディスインテグレーション』を聴きたくなり、そういえばカセットで聴いていたからCDは持っていなかったんだと思い出し、21周年盤を23周年目に購入したばかりのことだったからなおのこ READ MORE...
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このドキュメンタリーの主人公・安田好弘弁護士は、同じ東海テレビの制作チームによって作られた『光と影〜光市母子殺害事件 弁護団の300日〜』にも登場している。被告人を弁護するというもっとも基本的な弁護士の職 READ MORE...
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老年期を迎えたひとりの男が、巡礼の旅に出る。そんな映画はこれまでに腐るほど撮られているに違いなく、しかもこの作品はサンティアゴ・デ・コンポステーラへの道を辿るという。それだけを聞けば、四国のお遍路を題 READ MORE...
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さえない30代を共に送っていたはずの親友が突如結婚することになり、「花嫁介添人=ブライズメイド」たちが、というよりも介添人たちのとりまとめ役を仰せつかった主人公(=クリステン・ウィグ)ひとりが、幸せから READ MORE...
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スーツを着た男たちが、タバコを吹かしながらボソボソ話し続けている。盛りの年齢をとうに過ぎている彼らは、典型的に英国風の折り目正しいスーツを身につけてはいるが、倦怠と疲労の混ざり合った気配を滲ませている READ MORE...
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エドガー・ライス・バローズが1910年代に発表し始めた『火星』シリーズを原作に、アンドリュー・スタントンが監督したのが、この作品である。スタントンと言えば、ピクサー中心メンバーのひとりであり、『トイ・スト READ MORE...
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「介護」というのは、まず第一に「しょせん死ぬのを待つだけの仕事ではないか」、第二に「そんな不毛な仕事に従事する人間は、異常な正義感に燃える気色の悪い宗教的陶酔者に近い連中なのではないか」という先入観と READ MORE...
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Peter Berg Interview
ピーター・バーグ監督作品と言えば、ウィル・スミス主演『ハンコック』(08)は、ダメな「スーパー・ヒーロー」が主人公という点では、ちょっとしたヒネリが加えられているように見えるものの、実は「不慣れなスーパー READ MORE...
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スコセッシ『ヒューゴの不思議な発明』は、サイレント映画の「体験」と、3D映画の「体験」を重ね合わせるというコンセプトには深く共感させられたものの、どこかタルさの抜けない映画だった。もはや当たり前のものに READ MORE...
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「ヘルプ」とは「メイド」のことを指す。60年代のミシシッピ州を舞台にするこの作品ではもちろん、「黒人のメイド」ということになる。白人家庭に住み込み、あるいは通いながら家事と育児をこなしていた黒人女性たち READ MORE...
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90年初頭のイギリスに行くと、ちょうど人頭税が導入されようというタイミングで、町には人びとの怒りが充満していたことを思い出す。田舎町のパブで毎晩顔を合わせていた退役軍人は、フォークランドで負傷した脚を微 READ MORE...