ESSAY
アラー・アル・アスワーニー(1957~/エジプト)
『僕はナイルへ駆けた』
北緯48度の読書日記/Lecture à latitude 48ºN 5
世界37言語に翻訳されているエジプトの作家アル・アスワーニーは歯科医である。 また、2011年のエジプト革命(アラブの春)で中心的な役割を果たした「キファヤ」運動の創設メンバーでもある。エジプト革命のとき READ MORE...
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北緯48度の読書日記/Lecture à latitude 48ºN 5
世界37言語に翻訳されているエジプトの作家アル・アスワーニーは歯科医である。 また、2011年のエジプト革命(アラブの春)で中心的な役割を果たした「キファヤ」運動の創設メンバーでもある。エジプト革命のとき READ MORE...
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北緯48度の読書日記/Lecture à latitude 48ºN 2
「クァルテット」のタイトルどおりアマチュア弦楽四重奏団の物語がアムステルダムを思わせる水辺の町で展開する。おもな登場人物は80歳になる元プロチェリストと弦楽四重奏団のメンバーである。 それぞれの章は5 READ MORE...
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北緯48度の読書日記/Lecture à latitude 48ºN 3
「新しい本が出ればとりあえず読む」作家の一人にポール・オースターがいる。 彼の新作(原著は2017年刊)の仏語版が今年になって刊行された。この仏語版、ぱっと見がブロック(塀の)、1000ページ超のボリューム READ MORE...
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北緯48度の読書日記/Lecture à latitude 48ºN 2
シリアの戦争が8年目にはいった。 2011年3月、東日本で大地震がおき、津波がきて、福島原発が制御不能におちいっていた3月15日、シリアで市民のデモが武力弾圧され、戦争が始まった。現在も、子どもを含む多くの READ MORE...
ESSAY
北緯48度の読書日記/Lecture à latitude 48ºN 1
コロンビアの作家フアン=ガブリエル・バスケスの新作(原著は2015年刊)は、語り手が「フアン=ガブリエル・バスケス」という作家で、バルセロナやベルギー在住歴なども作家本人の経歴と重なっている。しかも、とこ READ MORE...
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北緯49度の百葉箱13
子どもの頃、身近に猫はいたから、猫というものを知らないわけではなかったが、まがりなりにも飼い主として一緒に住んでみると、戸惑うことばかりである。 具合が悪いのか、欝なのかと不安になるほど寝てばかりい READ MORE...
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北緯49度の百葉箱12
朝、外に出ると細かい枝や松葉のようなものがそここに落ちていた。昨日、各地に警報や注意報が出され、停電の被害をもたらした強風が残していったものだ。 昨日の夕方、暖炉に火を入れ、番をしながら本を読んでい READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 11
いつもなら夏の休暇から帰宅すると、草が丈高く茂っていてもおかしくないのに、芝生は黄色くはげちょろで、むきだしの地面には深い地割れがはしっていた。今年はいっこう春が来ないで嫌というほど雨が降っていたが、 READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 10
東京に住んでいたとき、家の近くに公園があった。すり鉢状の公園の真ん中に大きな池があり、それをとりかこむように植えられた木々は、夏ともなれば鬱蒼と繁茂し、やたらと蚊が出る。公衆便所とたばこの吸殻入れがあ READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 9
日が長く、光が強くなり、連翹や桜の花がほころび始め、春めいた気分にさせられるのだが、まだまだ空気は冷たい。 パリには劇場が多いが、このまえ行った劇場ほど小さい小屋は初めて見た。 開演時刻すぎまで歩 READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 8
平日の昼下がり、ちょうど昼食の片づけがすむ頃、シリーズもののテレビドラマが再放映されていたものだ。よくあるのは刑事ドラマだが、一時期『デリック刑事』というドラマを日課のように見ていた。ひとむかし前、フ READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 7
復活祭のバカンスで出かけた田舎から新じゃがいもを買ってきた。皮が薄く水分の多い新じゃがはこの季節だけ出回り、皮ごと蒸し焼きにするだけでおいしい。これをつけあわせとして献立をたてたいが、留守にしていた自 READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 6
夕飯どきになっても外がいっこう暗くならないと思って気がつくと、今日からサマータイム。朝、時計の針を一時間すすめていたのだった。正式には未明の午前2時を3時とカウントするからくりによって、ここ一、二か月急 READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 5
植物を地植えするにはまず穴を掘らなければならない。種を蒔くにも、雑草や地中の根を取り除くため土を掘り返すことになる。粘土っ気のある土は夏の乾燥時、信じがたいほど固くなり、スコップも鍬もかたくなに跳ね返 READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 4
日曜日、久しぶりに出掛けようとパリのピカソ美術館へ向かった。長いあいだ改装工事のため閉館していて、再オープンしたのが昨秋。当初の人出もそろそろ落ち着いてきたころだろうと思ったが、甘かった。美術館のある READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 3
九月半ばの「文化遺産の日」は、ふだん見ることのできない文化遺産指定の建造物が無料で一般公開される。歴史的建造物が集中する地区のひとつ、マレ地区へ行ったが、興味深かったのは久しぶりに見るパリの公共の庭だ READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 2
子どもの頃、ナメクジに塩をかけてどろどろになるのを観察したものだ。日本でよく目にするナメクジは薄茶色で小さなものだが、フランスで初めてナメクジを見たときは、あまりにグロテスクな姿が冗談としか思えなかっ READ MORE...
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北緯49度の百葉箱 1
冬になるとコマドリが庭に来る。フランス語で「ルージュ・ゴルジュ」と呼ばれるその小鳥は文字どおり胸が赤い、というか胸が鮮やかな朱色でひときわ目立つ。フランスでは一年を通して人家の周辺に棲む鳥である、と、 READ MORE...